ドローンによる農薬散布に規制緩和の流れ

 

■農林水産省が「無人航空機利用技術指導指針」を廃止に


作業を効率化させて負担を減らすために、農薬散布にドローンを活用する動きが広まっています。その追い風になったのが、2019年7月に「空中散布等における無人航空機利用技術指導指針」(以下「指針」と表記)が廃止になったことです。


以前は、農薬散布用のドローンを飛ばす場合、「航空法」の規定だけではなく、農林水産省が定めた「指針」にも従わなければなりませんでした。しかし、「指針」の廃止により、その必要がなくなったのです。では、具体的にどんな規制緩和が実現したのでしょうか?



■「指針」の廃止によりどんな規制緩和が実現したのか?


「指針」の中では、農作散布用のドローンを飛ばすのに「農林水産航空協会」指定の施設で講習を受講して技能認定を受けなければならないことが定められていました。講習の費用は15〜18万円くらい、期間は3~5日くらいと、簡単に受けられるようなものではなかったので、この規定は農薬散布用ドローンの導入のハードルを不必要に上げているという指摘がありました。しかし、今回「指針」が廃止になったことにより、講習の受講が任意になり、その問題点が解消されました。


また、「指針」は「農林水産航空協会」が農薬散布に使うドローンを事前に検査して機体登録するという制度を定めていました。同協会は、農薬散布用ドローンに最新技術を取り入れることに消極的な姿勢を見せていたため、ドローンメーカーの技術開発の意欲をそいでいるような状況もありました。でも、その規定もなくなりましたので、今後は技術開発に弾みが付くことが期待されています。


さらに、「指針」の廃止により、国や都道府県への散布計画書の提出は不要になりました。

指定業者による年1回の機体の定期点検義務もなくなりました。また、以前は、使用する農薬について、地上散布とドローンによる散布とでは希釈倍率が異なるため、改めて残留農薬の安全性を試験しなければなりませんでした。しかし、今後は、既に登録されている地上散布用の農薬の希釈倍率をドローンに適した濃度に見直す変更登録申請を行うだけで済みます。


このように、さまざまな点で規制緩和が実現しましたので、農薬散布用のドローンを導入しやすくなりました。今後、ドローンは農家の間でさらに広く活用されていくことでしょう。



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